本日はアメリカ系巡洋艦課金艦「マーブルヘッド」について紹介。
オマハ級より対空を減じ、火力・魚雷射程を増したそんな性格である。
果たしてWOWS内でのマーブルヘッドの実力や如何に?!
(記事の情報は2019年1月26日の情報です。ゲーム画像ⓒWargaming社)
マーブルヘッド オマハ級としての成り立ち
マーブルヘッドは
オマハ級軽巡洋艦9番艦
である。
第二次世界大戦に参戦した巡洋艦としては
最も最古の巡洋艦
である。
設計時年は1915年と現代から100年以上昔の巡洋艦で、ハリネズミ式の砲配置を持つ最後の巡洋艦であった。
オマハ級は様々な問題があったようで、重量過多に起因する、乾舷の不足による海水の船体入り込みや、居住性の不足、断熱不足により南方では熱く、北方では寒いという欠点があったらしい。
といいつつもアメリカ巡洋艦で初のシフト配置を採用した巡洋艦でもある。
元々は
偵察巡洋艦
そう、艦艇が偵察を担当していた在りし日の設計思想であり(まぁ100年以上前なので)
高速・高いマスト
といった特徴を有する。
が、その偵察巡洋艦の役割はワシントン海軍軍縮条約後に筍の如く広まった条約巡洋艦に取って代えられ、オマハ級は
嚮導艦
として戦間期は、駆逐艦の先導役を務めることとなった。
オマハ級も高重心といった問題を抱えており、カタパルトの増設と共に主砲が撤去されている。
これはWOWSゲームでも再現されており、オマハB → C船体へ改装すると主砲が減るのはそのため。
マーブルヘッド 艦歴
オマハ級は第二次世界大戦時アメリカ海軍が保有していた最も古い巡洋艦であり、主に南米・南太平洋での輸送任務が主任務で、
最前線に送られることはまず無かった
しかしマーブルヘッドは
珍しく実戦に投入された
オマハ級巡洋艦であり、銅勲章を2つ受賞している。
ではその艦歴を紐解いてみよう。
マーブルヘッドは1920年8月着工、1923年進水10月進水、1924年9月就役。
1928年3月には日本を訪れている。
1928-1933年は大西洋艦隊、1933-1938年は太平洋艦隊に所属。
1938年1月からはフィリピンに本部を置くアジア艦隊に所属し
政治的緊張の高まる
日本海や東シナ海のパトロールに当たっていた。
時は1941年11月24日
真珠湾攻撃の2週間前である。
マーブルヘッドの航海日誌には
「・・・『日米の政局は最終的な段階にあり『人間同士の戦争』になるだろう・・・』とアジア艦隊司令官はそれとなくほのめかされた」
と綴られており、アメリカ兵の苦悩が語られている。
翌日の航海日誌には
「何事も無いように見えるのだろうな」
と綴られておりでマニラ湾からボルネオへ戦略的に停泊地を移した。
これらはつまり、アメリカは真珠湾ではなく、東南アジアからの侵攻を予想していた、ということなのだろう。
そして日米は12月8日未明に日本の宣戦布告(遅れてるが)により開戦したが、マーブルヘッドも
「真珠湾へ日本が戦闘行為開始。政府発表より。」
との一報を受け取っている。
マーブルヘッド ジャワ沖海戦
オマハ級としては数少ない実戦投入されたマーブルヘッドであるが、その海戦の「ジャワ沖海戦」とは如何。
ジャワ沖海戦 背景
日本軍は英領カリマンタン島バリクパパンにある
石油採掘設備
を既に占領していたが、マカッサル海峡の制海権を得るために、島南部バンジェルマシン・対岸のマカッサルを支配下に置く必要があった。
折りしも1942年2月1日アメリカ軍の偵察機が
日本の輸送船団が石油採掘設備に停泊
しているのを発見。
「バリクパパンに日本の部隊、輸送船20隻、巡洋艦3隻、駆逐艦10隻、航海へ準備中」
との情報を受け、翌2月2日ABDA合同軍上層部は、
日本輸送船団への攻撃
を決定する。
ABDA合同軍はオランダ巡洋艦1隻、アメリカ巡洋艦3隻、駆逐艦7隻で攻撃の途についたのであった。
一方、日本側は翌2月3日早朝、陸上攻撃機が航行中に、
正体不明の船団を発見
する。これはABDA軍の艦隊であった。
アメリカ側の報告によると
「30機からなる、日本の爆撃機部隊と遭遇。うち7機が「特別な興味」を示して周りを周回したが、攻撃せずに飛び去っていた」
とある。
この時はプリンス・オブ・ウェールズ撃沈の一例はあったが、この時点ではまだ航空優勢の認識が広まっていなかったのかもで、ABDA軍は作戦を継続する。
一方日本の司令部塚原少将は翌日に一式陸攻36機、九十六式陸攻24機にて攻撃することを決定。
そして
2月4日午前9時49分ジャワ沖海戦が始まる。
「日本の陸攻発見!」
と米巡の見張り員が叫ぶ。
日本の陸攻はV字の隊形を為し、高度5000mで接近していった。
日本の陸攻はマーブルヘッドに照準を合わせ次々と爆弾を投下。
マーブルヘッドの80m先に爆弾が落下したものの、日本の攻撃の第一波攻撃の命中弾は無かった。
続いて第二・第三波攻撃を実施
しかしアメリカ対空員の奮闘で日本陸攻はマーブルヘッドに近付くことができない。
日本側も対抗しマーブルヘッドに7機の集中攻撃を仕掛ける。
マーブルヘッドも左に旋回して回避を試みるが、
二発の爆弾がマーブルヘッドの直撃
甲板を貫いたのちに爆発し、火災が発生。
後部の直撃弾で舵が取舵のまま固定し、マーブルヘッドは左側へ旋回し始めた。さらに
一発の至近弾
を受ける。この至近弾で船体に3×1mの破孔が生じ、船体は浸水し始めたのであった。
幸いにして消火は成功し、浸水の増大も防がれたが、
他の巡洋艦1隻も直撃弾を受け、司令官は「戦闘機の直衛無しに戦闘継続は困難」と
作戦中止
の決断が為される。
マーブルヘッドは15名の死者を出し、84名が重軽傷を負った戦闘であった。
大きな被害を受けたのマーブルヘッドであるが、舵の固着は9°まで回復され、左右のスクリューを異なるスピードで動かし脱出に成功したのであった。
マーブルヘッドその後
マーブルヘッドが帰港したときの喫水は前部が9.1m、後部が6.7mと、前部の浸水が激しく、戦闘の激しさを物語っている。
日本軍の侵攻のさなか、マーブルヘッドの負傷者の救命に当たったワッセル軍医は後に勲章を受章している。
マーブルヘッドの破孔は応急修理され、マーブルヘッドはその後
インドセイロン→南アフリカ→大西洋
と喜望峰経由で2万6000kmの航海を経てアメリカへ帰等したのであった。
修理の後1944年に復帰し、南フランスの上陸作戦に支援射撃を行っている。
終戦後は1945年11月にマーブルヘッドは登録から抹消され、1946年2月にスクラップとして生涯を終えたのであった。
マーブルヘッド / オマハ 比較
WOWS内でのマーブルヘッドの実力や如何に?!
早速姉妹艦のオマハ(左)とマーブルヘッド(右)を比較してみた。
表 オマハ / マーブルヘッド 比較
名称 | 艦名 | Omaha | Omaha | Marblehead |
日本語表記 | オマハC | オマハB | マーブルヘッド | |
外装 | HP | 26800 | ← | 27000 |
砲 | 口径 mm | 152 | ← | ← |
片舷指向門数 | 5 | 6 | 6 | |
リロードs | 7 | ← | 6.67 | |
砲塔回転速度°/s | 7.5 | ← | ||
射程km | 15.21 | 13.88 | ||
最大散布界m | 137 | 128 | ||
シグマ値 | n.a. | ← | ||
HE弾ダメージ | 2200 | |||
HE発火率 | 12% | |||
HE初速 m/s | 914 | |||
AP弾 | 3100 | |||
AP弾初速m/s | 914 | |||
魚雷 | 門数 | 2×3 | 4×3 | 2×3 |
リロードs | 44 | 66 | 38 | |
ダメージ | 11733 | ← | 6233 | |
雷速 knot | 56 | ← | 49 | |
射程 km | 5.5 | ← | 8.22 | |
対空 | 対空/長距離 | – | – | – |
対空/中距離 | 56.3/3.5 | 54/3.1 | 11.2/3.5 | |
対空/短距離 | 92.3/2.0 | 69/1.2 | – | |
機動性 | 速度 kt | 34 | ← | ← |
旋回半径 m | 600 | |||
転舵時間 s | 5.7 | |||
隠蔽 | 隠蔽 km | 13.5 | ← | ← |
航空隠蔽 km | 6.69 |
マーブルヘッド 消耗品
スロットR:応急工作班
スロットT:水中聴音
スロットY:戦闘機
マーブルヘッド 主砲
主砲は152mm。装填時間が7→6.67sとオマハ兄弟の中で一番早い。
射程が15.21→13.88kmと10%ほど短いが、精度の関係でオマハは最大射程では当たりにくいので案外弱点じゃない?
マーブルヘッド 魚雷
魚雷の門数は片舷3門。
特筆すべきは射程が8.2kmと中途半端に長い点。
隠蔽魚雷は出来ないが、忘れた頃にやってくる魚雷である。
ダメージは6233と、速度は僅か49knotと頼りないの一言だが、回転率だけは凄まじく38秒周期で魚雷が来る。もはや戦艦の主砲である。
マーブルヘッド 対空
マーブルヘッドの対空はひどいの一言。
秒間ダメージ11.2は一つ下のフェニックスにも劣る。
マーブルヘッド 生存性
生存性27000はTier比で平均より僅かに上である。
がバイタルパートが喫水線より大きく飛び出ており、非常に脆弱な作りであることは否めない。
操艦する時は気をつけるべし。
マーブルヘッド 隠蔽
マーブルヘッドの隠蔽はオマハと同じ。隠蔽は11.79kmである。全体的に余り良いほうではない。(隠蔽はVer0.8.0に準じた方法で計算。詳細についてはこちら)
マーブルヘッド 機動性
マーブルヘッドの機動性はオマハと同一。まずまずの機動性だろう。
マーブルヘッド 兄弟
姉妹艦のことではない。マーブルヘッドには
マーブルヘッド・リマ
という血を分けたの非常にレアキャラの兄弟がいる。(スペックは一緒)
もともとASUSのマザーボードの特典だったらしいのだが、後に常設販売されるようになった。
戦場で見かけると幸せになれるらしい。
マーブルヘッド 参照
(1)https://en.wikipedia.org/wiki/USS_Marblehead_(CL-12)
(2)https://en.wikipedia.org/wiki/Battle_of_Makassar_Strait
(3)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%
E3%83%A3%E3%83%AF%E6%B2%96%E6%B5%B7%E6%88%A6
(4)http://wiki.wargaming.net/en/Ship:Marblehead
(5)http://wiki.wargaming.net/en/Ship:Marblehead_Lima
(6)http://wiki.wargaming.net/en/Ship:Omaha
(7)https://wikiwiki.jp/wobships/Omaha
この記事へのコメントはありません。