本日はイギリスTier7巡洋戦艦「フッド」について紹介。
WOWS内では信管の作動時間が通常になるBuffが発表され注目が高まるフッド。
まずまずの主砲と高速性能、Tier帯1位のHP、そして爆撃機に強い対空砲を有する。
また史実ではデンマーク海峡海戦で独戦艦ビスマルクの放った一発により
弾薬庫爆発で轟沈した戦艦
である。
殉職された方には冥福を申し上げる。戦訓から学ぶべきことは非常に多い。
フッド 艦歴
艦名は帆船時代の提督で、スペイン無敵艦隊を破ったネルソン提督の師匠である
サミュエル・フッド
に由来。
フッド家は代々海軍提督を輩出している名家で、
戦艦フッドの進水式
で進水ボタンを押したのがサミュエルフッドのひ孫の子、つまりやしゃご(玄孫)ホレイス・フッドの未亡人であった。(ホレイス・フッドは第一次世界大戦のユトランド沖海戦、巡洋戦艦インヴィンシブル上で殉職)
由緒が長いですねー・・・
フッドは
マッケンゼン級
に対抗する巡洋戦艦として立案。
お前か!
プリンツ・アイテル・フリードリヒ。いやー入手ミッションがなかなか大変でしたね。
フッドは元は4隻計画されていたが、第一次世界大戦の終了で民間船の不足に資材が充てられ、就役したのはフッド1隻のみ。
ユトランド沖海戦で巡洋戦艦の脆弱性が明らかになり、建造中のフッドも装甲が増やされたが、そのせいで喫水が深くなってしまい、最大船足・荒天下では海水が大量に艦内に入ってしまって
海軍最大の潜水艦
と呼ばれたらしいw。
それだけで済めばいいのだが、換気が常に不足している艦内は常に湿気ており
結核
の集団感染がしばしば起きたとか(゜д゜)ぽかーん・・・
1919年に実物大モックアップを用いた貫通試験が行われ、結果15インチ砲であれば、装甲帯・甲板の薄い部分を通じて
バイタルパートに砲弾が到達する
ことが判明した。試験の結果を受け
弾薬庫の装甲厚が
5 → 6 inch(127 → 152mm)
と増やされ、増加したトン数は魚雷バルジの一部を取り外して対応している。(後の近代化改修で再度取り付けされている)
しかし結果的にこれでも不十分であり、更なる試験が行われることは無かったという。
イギリス王立海軍もフッドの抱える弱点については十分把握しており、フッドは戦艦ではなく、「巡洋戦艦部隊」として運用されていた。
しかしながら、
大口径・高速
とビスマルク級に対抗できる数少ない軍艦であり、イギリス王立海軍も渋々デンマーク海峡海戦に投入を決意したという。
フッド デンマーク海境界線
時は1941年5月23日
ビスマルク発見の一報を受け、フッドは新鋭のプリンス・オブ・ウェールズと共にビスマルク迎撃へ向う。
ビスマルクの大西洋での行動を許すとイギリス輸送船団に甚大な被害が予測され、迎え撃つ必要があった。
5時37分にドイツ・イギリス共に双方視認。
イギリス側は5時52分に随伴艦プリンツ・オイゲンに向けて砲撃開始。
対するドイツも5時55分にフッドに向けて砲撃開始する。
フッドは命中弾を受け、準備されていた対空用砲弾に燃え移り、火災が発生した。(弾薬後爆発とは関係が無いと思われる。)
そして時は6時00分
フッドは左舷に舵を切り、20°ほど回頭していたときであった。
ちょうど弱点のデッキが敵側に露出したところに、ビスマルクの5斉射目が直撃
火炎が貫いたかと思うと
弾薬後が突如として爆発
フッドの船の後ろ半分が破壊され
僅か3分のうちに沈没
していったという。
独プリンツ・オイゲンに搭乗していたJ.C. Schmitz-Westerholtによって描かれたフッドの最期。
後に駆逐艦エレクトラが救助に急行したが、
生存者3名 死亡者1418名
と凄惨な惨事であった。
フッド 沈没後
僚艦のプリンス・オブ・ウェールズは辛くもドイツ艦の追撃を振り切り生還。
遁走中にもビスマルクに3発命中し、燃料系に被害を与え、撤退を余儀なくさせている。
事態を重く見た海軍は調査委員会を設立し、フッド沈没の原因が精査された。
弾薬庫爆発の他に魚雷爆発等の設もあり、現在でも様々な説があるが、公式には
「フッド沈没の原因はビスマルクの15インチ砲がフッドの4インチ、若しくは15インチ砲の弾薬庫付近に着弾し、全火薬が爆発。船の後半部を破壊した。4インチ砲の弾薬庫が先に爆発したと可能性がある」
That the sinking of Hood was due to a hit from Bismarck‘s 15-inch shell in or adjacent to Hood‘s 4-inch or 15-inch magazines, causing them all to explode and wreck the after part of the ship. The probability is that the 4-inch magazines exploded first
と結論付けられている。
後にフッドの冥福を祈る祈念碑がイギリスの各地で建てられた。
キングジョージV / フッド 比較
さて早速同Tier7のキング・ジョージV(上)とフッド(下)を比較してみた。
表 キングジョージV / フッド 比較
名称 | 艦名 | King Gerge V | Hood |
日本語表記 | キングジョージV | フッド | |
外装 | HP | 60500 | 67700 |
主砲 | 口径 mm | 356 | 381 |
門数 | 2×4+1×2 | 4×2 | |
リロードs | 25 | 30 | |
砲塔回転速度°/s | 4 | 5 | |
射程km | 18.15 | 18.57 | |
最大散布界m | 241 | 242 | |
シグマ値 | n.a. | 1.9(公式情報) | |
HE弾ダメージ | 6100 | 5300 | |
HE発火率 | 41% | 34% | |
HE初速 m/s | 757 | 731.5 | |
AP弾 | 10500 | 11400 | |
AP弾初速m/s | 757 | 731.5 | |
副砲1 | 口径 mm | 134 | 102 |
門数 | 8×2 | 7×2 | |
射程km | 5 | ← | |
リロードs | 6.67 | 3 | |
ダメージ | 1900 | 1500 | |
発火率 | 8% | 6% | |
対空 | 対空/長距離 | 64.8/4.5 | 65.8/5.0 |
対空/中距離 | 209.4/2.5 | 125.2/2.5 | |
対空/短距離 | 284.2/2.0 | 175.2/1.5 | |
対空/短距離 | – | 183.6/1.2 | |
機動性 | 速度 kt | 28 | 32 |
旋回半径 m | 790 | 910 | |
転舵時間 s | 15 | 13.4 | |
隠蔽 | 隠蔽 km | 14.58 | 16.2 |
航空隠蔽 km | 12.51 | 13.86 |
フッド 消耗品
消耗品R:応急工作班
消耗品T:修理班
消耗品Y:対空防御砲火
フッド 主砲
フッドの主砲は381mm・2×4門・装填30s。まずまずの値だろう。
シグマ値1.8→1.9にBuffされる予定(2)である。
以前はAP弾がバイタルパートに届かないという問題があったが、信管の作動時間が0.015→0.033sとBuffされるアナウンス(2)があった。
フッド 対空砲
フッドは
対空ロケット砲
を備えていた特徴がある。
写真(左) キングジョージの対空ロケット発射機 (右)ゲーム内モデリング
史実では、ロケットが飛翔し一定の高度で炸裂、機雷付きネットをパラシュート展開させ飛行機に引っ掛かけるというもの。
予想より効果は無かったらしいのだが、WOWS内では対空防御砲火の対象になり
対空砲射程km | ダメージ | ダメージ
対空防御砲火使用中 |
5 | 65.8 | |
2.5 | 125.2 | |
1.5 | 175.2 | 1375.2 |
1.2 | 183.6 | 1383.6 |
対空防御砲火を使用した際は1.5km圏内の
秒間ダメージ1375.2
という脅威的な数字を叩き出す。その数何と
アトランタの対空防御砲火時の約2.9隻分
である。
持続時間も60s
と長く、爆撃機での攻撃は諦めたほうが無難かもですね。
幸いにして射程は1.5km、スキル・アップグレードどちらかで1.8km、両方で2.16km。
距離的には雷撃機は影響が少なく、後半戦はロケット砲が壊れていることも多いらしい(3)ので頭に入れておく。
フッド 機動性
晩年は真水製造機の不調で全速力でなかったらしいが、
32.0 knots
はWOWS内でも優速である。
詳しくはこちら。
フッド 生存性
史実では脆さを見せたフッドだが、WOWS内ではそうでもなく
HP67700はTier7では1位
Tier8でも一部の戦艦を凌駕する値である。
フッド 隠蔽
隠蔽16.2km。Tier7戦艦の平均値は16.00kmであり僅かに悪い。
フッド 消耗品
応急工作班、修理班は通常の戦艦の構成だが、対空防御砲火が搭載できる。
フッド 価格
9700ダブロン。約4700円である。
参照
(1)https://en.wikipedia.org/wiki/HMS_Hood
(2)
ST. Balance changes.The ships listed below showed a statistical lag among the ships of their tier and class. Taking…
(3)https://wikiwiki.jp/wobships/Hood
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