本日はイギリスに新規実装予定の重巡洋艦「エクセター」について紹介。
イギリスの重巡洋艦で、Tier5での実装となる。
エクセターはスラバヤ沖海戦で日本軍と一矢交えた、我々としても縁の深い巡洋艦だ。
艦歴は壮絶なエクセターであるが、WOWSの性能や如何に?
(記事の情報は2018年12月24日の情報です。ゲーム画像Copy Right Wargaming社)
2019年3月1日 発売に合わせ最新の情報に更新
エクセター 艦歴
ラプラタ沖海戦
エクセターを語る上で外せない海戦がグラーフ・シュペーとのラプラタ沖海戦だ.
「ポケット戦艦」ことグラーフ・シュペーは二次大戦初期、インド洋で・南大西洋で通商破壊活動を行っていた。
イギリス海軍も対抗すべく、当該海域に部隊を集結していた。
「ドリック・スター号」からの通報や、ノルウェイ商船の情報で「グラーフ・シュペーがサーチライトを照らしながら南米方向へ行った」との報告で、イギリスは航路が混雑するウルグアイとアルゼンチンの海域でグラーフ・シュペーを待ち構えることとする。
エクセター
はリアンダー級のエイジャックス・アキリーズと共に哨戒任務に当たっていた。
1939年12月13日の明け方6時10分。イギリス艦隊は北西に煙を視認。ハーウッド司令官はエクセターに確認のため接近するよう命令する。
一方グラーフ・シュペーも同様にエクセターを視認。グラーフ・シュペー艦長は事前に「イギリス巡洋艦三隻が哨戒中」との無線連絡を受けていたが、艦長は3隻の巡洋艦を輸送船団と見誤る。水上偵察機は運悪く故障中であり、グラーフ・シュペー艦長は敵が巡洋艦だと気付かないまま接近してしまった。
グラーフ・シュペー艦長は輸送船団だと思っていた艦隊が、実は巡洋艦だと気付いて慌てて回頭し、機関最大戦速で逃走を始める。しかしながら船足はイギリス側に部があり、両軍はじりじり距離を詰めていく。
そして6時18分グラーフ・シュペーによって火蓋が切られる。6時20分イギリス側も対抗して砲撃を開始。その時エクセターの砲手リチャード大尉はこう回想する。
”普段の艦長は「敵艦視認。各自待機」と命令を下すだろう。ただあの時ばかりは「あれがF○cking Scheerだ!撃てぇっ!」と叫びました”
らしい。(笑)
ちなみに「Scheer」とは、グラーフ・シュペーの姉妹艦「シェーア」のこと。イギリス側は戦闘終了時まで自分の闘う相手がグラーフ・シュペーではなく姉妹艦「シェーア」と勘違いしていた。
話は戻るが、戦闘開始時はグラーフ・シュペーの砲精度が上回った。三射目でエクセターに至近弾を食らわせ、エクセターは通信系統損失・二番砲塔損傷・飛び立とうとしていた着弾観測機を失う。
そして6時38分エクセターが左舷の魚雷を発射しようと回頭しているさなか、グラーフ・シュペーの283mm砲が二発エクセターを直撃。一発は一番砲塔を直撃し、一発は船体を直撃。火災が発生。エクセターは浸水により7度傾斜しており、また羅針盤が故障し、短艇の羅針盤で航行を続けている状況であった。
しかしながらエクセターの放った一発がグラーフ・シュペーの一発が煙突付近で炸裂。グラーフ・シュペーは燃料系統に深刻なダメージを負う。この燃料系統の故障は後にグラーフ・シュペー自沈する経緯となった。
一方エクセターも右舷にかなり傾斜しており、艦首も水を被っている状況であった。しかし機関は健在であり、全速力で残った3番砲塔1機で果敢にも抵抗していた。しかし7時30分、グラーフ・シュペーの至近弾による水沫で三番砲塔がショートにより故障。全砲塔が故障しエクセターは離脱を決意したのであった。
ラプラタ沖海戦はその後も続きグラーフ・シュペーは自沈を迫られることになるのであるが・・・本稿はエクセターの記事であるので、グラーフ・シュペーの記事で書くことにしよう。
修理・近代化改修
ラプラタ沖海戦で大きくダメージを受けたエクセター。
イギリス海軍は修理と同時に近代化を決定する。内容としては主砲のDCTの導入・対空砲の自動偏差計算装置の導入で、火器制御の自動化がなされることとなった。
また対空砲の強化・DCTのレーダーの設置も同様に行われている。
スラバヤ沖海戦
写真 砲撃を受けるエクセター
修理後エクセターは大西洋での輸送船の直衛任務等に当たっていたが、日本の対米開戦を受けてシンガポール派遣されアメリカ(A)・イギリス(B)・オランダ(D)・オーストラリア(A)合同軍、ABDA合同軍に編入されることとなった。
一方日本軍は石油・食料資源の豊富なオランダ領ジャワ島を攻略するべく陸・海軍共同で上陸作戦を進めていた。ABDA軍は日本の侵攻を阻止すべく、両軍決戦を迎える。
そして1942年2月13日、ABDA合同軍は偵察機より「バンカ島北方に日本軍の上陸部隊発見」の一報を受けヘルフリッヒ司令官はABDA軍の招集を命じた。
スラバヤ沖海戦の火蓋は龍穣の空襲によって切られる。しかしエクセターに至近弾を与えたのみで、被害は軽微であった。
戦いの主戦は午後17時に日本軍・ABDA軍双方マストを視認したことより始まる。
このとき日本軍は那智・羽黒の重巡2隻・軽巡2隻・駆逐艦12隻の部隊とされ、一方ABDA軍はエクセターを含む重巡2隻・軽巡3隻・駆逐艦9隻とされる。数の上では日本軍が僅かに有利なようだ。
軽巡神通が17時45分距離17000mで砲撃を開始する。初弾から挟叉するが命中弾は得られなかった。
一方17時48分ABDA軍が反撃を開始。エクセターはレーダーを用いた管制方式であったが命中弾はなし。しかし初弾から挟叉を浴びた日本軍は形勢不利と判断し離脱を決意する。
日本軍はお家芸の酸素魚雷を発射。しかし酸素魚雷は配備されたばかりで信管が鋭敏に調整されており、波浪で誤爆するといった初歩的なミスを犯した。しかしながらこの雷撃によりABDA軍駆逐艦コノテールが轟沈した。
この海戦中に、羽黒の放ったとされる203mm砲がエクセターの機関部を直撃。8機のうち6機のボイラーを失い、速度は11knotとなったエクセターは離脱した。
ABDA軍はエクセター中破を受け、撤退を決定する。駆逐艦三隻がしんがりを努め、エクセターは何とかスラバヤへ帰等する。
エクセターの最期 第二次スラバヤ沖海戦
しかしながら、エクセターと別にバタビアへ退避していたABDA軍艦艇は日本軍の攻撃により壊滅してしまう。(スンダ沖海戦)
エクセターは緊急修理により速度が23knotまで回復したものの、直衛する駆逐艦は魚雷を撃ち尽くしており、孤立したエクセター艦隊は、一刻も早くスラバヤより退避を迫られていた。
2018年2月28日の夕暮れ、エクセターと駆逐艦2隻は脱出を開始。道中で偶然ABDA軍の僚艦と会い合流する。
3月1日明け方午前4時、正体不明の艦艇を視認。会敵をさけるため転針するが、午前7時50分再び南西に艦艇を視認。転針を余儀なくされる。
そして午前9時35分、那智・羽黒を含む重巡二隻と会敵する。南東へ逃走を図るが、そこは足柄と妙高の二隻が待ち構えている海域であった。
そして挟撃される中10時20分、日本軍が砲撃を開始する。
ABDA軍の駆逐艦2隻が煙幕を張り、擬似的に魚雷発射行動をとるなど遅延作戦を試みたが、エクセターは午前11時20分機関区に直撃弾を受け、船足が4knotとなってしまう。さらに直撃弾を受け火災発生。12時54分動力を喪失したエクセター艦長は総員退艦を命じる。その間にも駆逐艦「雷」が雷撃を敢行し右舷に命中。そして13時30分右側に転覆し、沈没したのであった。
その後
イギリス人乗務員は艦長を含め652人が救助される。日本側wikiはここまでしか書いていないが、英語版wikiでは日本での捕虜収容中に152名が死亡したと書いてある。こういうことは後々問題になるということを、我々は肝に銘じておかなければならない。
エメラルド / エクセター / 古鷹 比較
さて壮絶な艦歴のエクセターである。
WOWS内での性能や如何に。
比較対象はエメラルド・古鷹である。
名称 | 艦名 | Emerald | Exeter | Furutaka |
日本語表記 | エメラルド | エクセター | 古鷹 | |
外装 | HP | 27100 | 29400 | 30700 |
砲 | 口径 mm | 152 | 203 | 203 |
門数 | 7×1 | 2×3 | 3×2 | |
リロードs | 7.5 | 15 | 15 | |
砲塔回転速度°/s | 10 | 8 | 6 | |
射程km | 13.62 | 14.3 | 13.88 | |
最大散布界m | 126 | 131 | 120 | |
シグマ値 | n.a. | 2 | 2 | |
HE弾ダメージ | – | 2850 | 3300 | |
HE発火率 | – | 15% | 17% | |
HE初速 m/s | – | 855 | 840 | |
AP弾 | 3000 | 4550 | 4700 | |
AP弾初速m/s | 936 | 855 | 840 | |
魚雷 | 門数 | 4×4 | 2×3 | 4×2 |
リロードs | 106 | 72 | 94 | |
ダメージ | 15733 | 15867 | 16327 | |
雷速 knot | 59 | 61 | 59 | |
射程 km | 7 | 8 | 10 | |
対空 | 対空/長距離 | 94.6/3.5 | n.a. | 20.4/4.5 |
対空/中距離 | 86.2/2.5 | n.a. | 40.4/3.1 | |
対空/短距離 | 58.2/2.0 | n.a. | 47.4/1.2 | |
機動性 | 速度 kt | 33 | 32 | 34.5 |
旋回半径 m | 670 | 650 | 750 | |
転舵時間 s | 7.8 | 8.4 | 5.7 | |
隠蔽 | 隠蔽 km | 10.18 | 11 | 12.24 |
航空隠蔽 km | 6.75 | 7.1 | 7.02 |
エクセター消耗品
スロット1:応急工作班
スロット2:修理班
スロット3:水中聴音
スロット4:煙幕 / 水上戦闘機
煙幕は廃止・・・
エクセター 主砲
主砲は割といいかも。ちゃんとHEも撃てる。
装填は15秒であり(古鷹15秒)単発ダメージは2850と古鷹(3300)に劣る。
射程は14.3kmと古鷹13.88kmより微増。
精度は古鷹と同じくらい。
エクセター 隠蔽
隠蔽最良値は9.60kmと何気に良い。
重巡+良隠蔽と割りと面白いかもしれないですねー。
エクセター 魚雷
片舷3門。射程は8km。痒いところに手が届かない。
エクセター 機動性
速度は32.0knot。転舵半径は650m.
転舵時間が8.4sとやや遅め。
エクセター 生存性
エクセターのHPは29400と古鷹(30700)より微減。
古鷹は装甲が厚く、エクセターは修理班を備える。大体同じくらいでしょうか。
エクセター 消耗品
修理班・煙幕・水中聴音と英軽巡と同じ装備。
参照
https://www.facebook.com/wowsdevblog/?hc_ref=ARRaDwmogK5TwGX9pyzYom1JlaMFRBnVlM7a1Gq1FnQxZfZiCtk1dLHaqQZJRxqDP6c&fref=nf&__tn__=kC-R
https://en.wikipedia.org/wiki/Battle_of_the_Java_Sea
https://en.wikipedia.org/wiki/HMS_Exeter_(68)#Second_Battle_of_the_Java_Sea
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